売れ行きの悪い在庫を抱えているとき、何か別の販売促進の鍵となり利益を生み出してくれる様な商品を注文したくなります。
しかしそういった新しい商品に投資する前に、「顧客が本当に買いたいと思ってくれる商品は何か?」というデータやフィードバックを集めることが重要です。幸いなことに、これは新しい商品を注文することなく、更には在庫商品を一切抱えることなく行うことができます。今回、私たちAsk Shopifyが取り扱う内容はそのことについてです。
Question:
お店によって方法は異なると思うのですが、想定の期間内で商品を売り切ることができない時、商品の追加または商品ラインナップを増やす際の常とう手段というものはありますか? 利益を生むために更なる商品に投資をするというのは直観に反している気がしますが、これが現状を打破して利益を得る唯一の方法でしょうか。
Answer
残念ながら、ショップに商品を追加する前に顧客から反響がある商品ラインナップを完全に予測する方法はありません。
ただし、上記の問題はオーナー間で共有されており、この問題に上手く取り組むためのいくつかの方法が発見されています。心に留めておくべき最も大切なことは、立ち上げる前に一番良い方法を熟知している人はいないということです。
商品は生き物のようなもので、既にあなたはデータポイント:「設定していた一定の期間で売れ残った在庫数」を把握しています。この値が、これから何をすべきかを決めていく時に用いる「tangible fact:実際の在庫数」です。そして、できるだけ少ない先行投資で、できるだけ多くの「tangible fact」を見つけ出すのが次のステップになります。
上記はMarc Weisinger氏が今回の質問に対し「どう取り組んでいけばよいか」を決定する際に勧めている方法です。
Mark氏は、Shopifyの売上増加チームを運営し、ECサイト運営会社の分析や彼らのビジネスを成長をサポートするために、広告戦略の可視化などを手助けしています。そして、この検証方法は広告戦略や商品ラインナップを決定する際に重要な方法でもあります。
“顧客は何が一番良い商品で何が一番興味深いかを最終的に見定めます。”
“会議室に座って完璧な広告を考えつくかもしれないが、我々がどう思うかに関係なく、更に良い結果を生む別の方法があるかもしれない。それは実際に検証してみるまで、実際の結果は分からないものだ。”
従ってビジネスを拡張する際に商品ラインナップを考えるときには、“自分たちがどう思うかに関係なく更に良い結果を生む別な方法がある可能性があること”を常に留意して、検証しながら問題を解決することが重要です。
“巨額の投資をすることなく商品を検証することで、自分が実現したいことのハードルを下げることができます。情報が全くない状態で大きな賭けをするより、できるだけ低予算で何かにトライすることができれば、ビジネスを続けていくうえで有利になります。
マーケティングは検証すること。実験することです。そうすることで、どんどん良くなっていきますよね?この方法で商品について、在庫について考えることができます。少なく商品を仕入れ、仕入れた商品がどれくらい売れるか調査する、そこからが始まりです。”
商品ラインアップを決めていく時、どう情報を集めていけばいいのでしょうか?
今回はそのための3つの方法について説明します。
在庫商品を必要としないオプションを活用する
大きな投資をすることなく、今日の広範囲に及ぶ在庫管理を行うことにより新しい商品を検証する方法があります。
“最近は、商品を低コストかつ参入しやすい環境にてテストすることができます。”
“商品・商品ラインナップについて決めていく時には、何を仕入れたら売れるかをテストしてみるとよいでしょう。時間の投資、人件費およびマーケティング費用を考えると売り上げの良い商品を見つけた場合はその商品を倍掛けして仕入れて下さい。試験的に仕入れた商品があまり売れなかった場合は、違う商品でテストしてみましょう。”
新しいデザインを検証している場合、PrintfulやPrintifyなどのPOD(オンデマンド印刷)を使いデザインを設定することができます。これらのサービスを使うことで商品をいち早く世の中に出すことが出来ます。どのデザインが売れ行きがいいかを見極めた後に自社印刷へ変更しましょう。そうすることで、すべてのオリジナルデザインを事前注文するというリスクを冒すことなく商品を持つことができます。
まったく新しい製品や製品カテゴリの売れ行きを検証している場合、同じことがOberloのようなアプリを使ったドロップシッピングにも当てはまります。
また、検討している新製品の予約注文数を調べることもできます。先行投資としては商品写真を撮るということだけです。撮影した写真で商品ページを作成しマーケティングに活かしましょう。 これは、時間とお金を投資して実際に在庫を抱える前にあなたのアイデアへの関心を測るための良い方法です。
顧客のフィードバックを集める
市場で出品し販売する以上に誰かがあなたの商品を購入するかどうか知る事ができる良い方法はありませんが、顧客の貴重なフィードバックを集めるには他の方法もあります。
具体的には、フォーカスグループでの討論会・市場調査を実施する、または一人ひとり聞いてみることです。
“私は直接ビジネスオーナーたちが様々なターゲット市場、国、またはオーディエンスに向けたフォーカスグループでの討論の際に、多くの事を学ぶ場面を見てきました。顧客について得た豊富な知識は非常に貴重です”
あなたのブランドによっては、フォーカスグループを募集したり、顧客に調査をしたり、様々な方法で調査することができます。
“フィードバックが必要な時には、20ドル分のスターバックスギフト券をプレゼントし、質問してください。または、あなたのブランドが楽しみで仕方ない顧客がいる場合、話がしたいという理由だけで討論会に参加してくれるかもしれません”
あなた自身がアレンジした討論会・質問の場で、どんなフィードバック方法を使ったとしても、顧客の情報や意見を事前に知っておくことは、次回の在庫を調達するときには、非常に大事なことです。
“大抵の場合、どんな商品でもオーディエンスの様々な観点や視点から情報を収集したほうが、より良いデータを得ることができます。誰もがあなたと同じ考えではないので、より良いフィードバックを得るためには様々な人と話をするべきです”
新しい製品のライン拡張はまず少量でテストをする
必要な情報を得るためには、新しい製品に資金を投資し、それらを在庫として抱えなければいけない場合もあります。しかし、そのような場合においても検証していない商品に対して何百ドルも費やす必要があるというわけではありません。
もし新しい商品に投資する十分なお金があるのであれば、上手くいかない可能性のある一つの製品のみを大量に仕入れるのではなく、新製品の範囲を広げ、成功したものを倍掛けして仕入れるのがベストです。
“注文数が少なければ一個当たりにかかる価格は高くなるかもしれませんが、どの程度売れるのか分からない商品を数百個も仕入れるために大金を投資するよりは良いでしょう”
次の戦略を決めるときに必要な完全なデータが揃っている事はまれです。日頃より新しい情報をいつでも収集できる状況を作っておきましょう
大抵の起業家は、市場の限られたスコープと見通ししか持っていないので、様々な商品を持つことが重要です。
本当に良い検証結果がある場合や、市場参入が初めてでない場合以外は、初めは多くの商品を揃え、様々な選択肢を顧客に与えてあげる事で何が売れるかを見極めることができます。その情報をもとに、次は何に投資すれば良いかを決められます。
リサーチ結果により、どの様に行動すれば良いかが分かりますが、Marc氏はすぐに売れる商品があった場合、その商品を2倍仕入れ、お店の目立つところに陳列させ、更なる宣伝を行う事が重要だと指摘しています。
これから売上を増やそうとしている皆さんへ
ここ最近は、高価な市場調査を行わずに、これから始めようとするビジネスに役立つ信頼度の高い情報を収集する方法があります。顧客について学ぶというわずかな投資と新製品のテストで、最終的に売れ残ってしまう製品への過剰投資を避けることができます。
収益性をあげるため次のステップを考察している際は、できるだけリスクを減らして問題に取り組むための実験的な考え方が役立ちます。 また、ビジネスを経営していく際には常にリスクが伴いますが、可能な限り、リスクがあれば少しでも緩和することは賢明なアプローチです。
この記事は、Shopify公式サイトブログの記事を翻訳しております。