商品の販売価格を決めるときに気をつけておくべきポイント

商品の価格を決めるということは、あなたのビジネスの全ての面に影響を与えます。商品価格は、キャッシュフローから利益幅まで全てを決める重要なファクターです。

そのせいか、新しいショップや商品を立ち上げる際に価格設定でつまづく人が多いです。しかし、立ち上げ時に心が折れてしまっていては何も始まりません。

ベストな価格をつける方法は、立ち上げをして現実の顧客でテストしてみることです。とはいえ、どこから手をつければいいのでしょうか?今回はこのような悩みを解決していきます。

どのように商品の価格を決めたら良いですか?

商品の価格をつけようとすると、それに関する記事や本、アドバイスのブラックホールに投げ出されてしまいます。もっと簡単に値段をつける方法はないでしょうか?どうやって始めたらいいのかさっぱり分かりません。

質問に対する回答

価格設定に関するアドバイスを探すと、ブラックホールに投げ出されたような気持ちになることはよくあることです。価格設定は、ビジネスの資金から商品のマーケットでのポジションにまで広く影響するからです。

価格設定は、ビジネスのキーとなる戦略的な決定です。科学であると同時にアートのようなものでもあります。しかし、一度で成功させなければならないわけではありません。

もし商品の価格設定に迷っているなら、簡単に最初の価格を決める方法があります。ただ肝に銘じてほしいのは、立ち上げ時の価格をずっと使う必要はないということです。

最初の価格を決めるには、商品を仕入れる時にかかったコストを全部足して、利益をその経費に上乗せしてみましょう。これで終わりです。

シンプルすぎて効果的ではないよう見えますよね。でも最初はこれで問題ありません。

価格は、一度決めたらずっと使い続けなければならないものではありません。

なぜこの価格設定のアプローチはうまくいくか

価格設定で一番重要なファクターは、あなたのビジネスを支えるものであるということ
もし、損が出るような価格を付けたり、ビジネスを維持できない利益しか出ない場合、ビジネスの成長は難しいでしょう。

価格を通して分かる重要なファクターは他にもあります。例えば、ライバルとの価格競争や顧客や価格戦略など。でも、そのようなことを気にする前に、まずはビジネスを持続可能にできる基本の価格を見つけましょう

持続可能な価格の計算方法

価格を計算するための3つの簡単なステップがあります。

1.変動するコストを足す(商品ごとに)

まず第一に、それぞれの商品を仕入れるために必要なコストを把握しておきましょう。

商品を注文した場合は、それぞれがいくらなのか簡単に分かります。それが売上原価です。あなたが商品を作っている場合は、ちょっと複雑になります。原料はどれくらいするのか、そしてそこからどれくらいの商品を作れるのか。そこで大体の商品ごとの売上原価の試算ができます。

そして、ビジネスに費やしている時間にも価値があります。あなたの時間に価格をつけるには、時給を設定して、あなたがその時間に作った商品の数で割ります。持続可能な価格を決めるには、あなたの時間も変動するコストとして盛り込みましょう

これは、各商品に必要なコストのリストのサンプルです。

売上原価 $3.25
製作時間 $2.00
梱包  $1.78
宣伝用品  $0.75
配送料  $4.50
アフィリエイト手数料  $2.00
商品価格  $14.28

このサンプルでは、あなたの商品価格は、$14.28となります。

宣伝用品にはどんなものがあるのかと思いますか?開封体験をレベルアップさせるために、Eコマースで用いる一般的なものは、マーケティングに関するものや粗品です。

2.利益を加える

売上原価に変動するコストをすべて足したら、次は価格に利益を加えましょう
20%の利益幅を設定するとします。このパーセンテージを選んだら、次の2つのことに注意しましょう。

1.固定費をまだ入れていないので、変動費以外にもカバーしなければならないコストがあることを考慮する。

2.マーケット全体で見た時、あなたがつけた価格が“許容可能”な範囲に収まっているようにしましょう。もしあなたのつけた価格が競合他社の2倍だった場合、商品カテゴリーによっては苦戦を強いられてしまいます。

価格を計算する準備ができたら、変動コストのトータル金額を、1から希望する利益幅(小数で表したもの)を引いたもので割ります。

例えば20%の利益とする場合、小数では0.2なので、変動コストを0.8で割るということになります。この場合、基本の価格は$17.85となり、端数を切り上げて$18.00となります。

ターゲット価格=(商品一個分の変動価格)/(1-希望利益幅(小数))

3.忘れてはいけないのが固定費

変動費だけがコストではありません。商品を10個売ろうが1000個売ろうが変わらないもの、それが固定費です。ビジネスを運営する上では避けて通れない部分であり、商品を売ることでまかなわなければいけません。

単価を選んだとき、固定費がどのように収まるのか理解するのは難しいと思います。

そこで、簡単な方法があります。変動費の情報をこの損益分岐点スプレッドシートにセットしてみてください。スプレッドシートを編集するためには、ファイルメニューから”コピーを作成する”を選んで、自分だけがアクセスできるファイルを作りましょう。

このシートでは固定費と変動費が一目で分かり、あなたが決めた価格だと、商品を何個売れば収支が合うのかが計算できます。また、固定費をまかなうことと、競争力のある価格付けのバランスについて決めるのにも役に立ちます。

損益分岐点分析について、注目すべき点や数値に基づいて調整する方法などを調べてみましょう。

テストして繰り返してみましょう

”間違った”価格をつけるのを恐れて、ショップの立ち上げを躊躇してはいけません。価格設定は、ある意味ビジネスと共に進化していくものです。そして費用をまかない、利益をもたらすものである限り、価格をテストをして調整していくしかありません

このアプローチを取れば、自信を持って価格設定ができるようになります。そして価格設定で一番重要なことは、持続可能なビジネスを構築することです。

一度きちんとしたビジネスを構築すれば、新しいショップや商品を立ち上げることができますし、顧客から得たフィードバックやデータを使って将来の価格戦略を調整することもできるでしょう。

この記事は、Shopify公式サイトブログの記事を翻訳しております。