デジタル商品は実際に手に取ったり、味わったり、触ったりすることはできません。ですが誰もが利用しているもので、その中には音楽、ビデオ、ebook、オンラインコースなどがあります。
デジタル商品の人気が高まり、簡単に配布できることから、こういった無形商品ビジネスを始めたり、これまでの商品やサービスに加えてデジタル商品を取り扱い始める起業家が大勢います。
デジタル商品が特に魅力的な理由は、一度制作されたデジタル商品は何度も繰り返して販売することができ、在庫の補充が必要ないことです。そのためデジタル商品は、クリエイター・アーティスト・コーチ・フリーランスの人にとって、少ない労力で維持できる新しい収入源として人気となっています。
デジタル商品とは何か?
デジタル商品とは無形資産やメディアのことで、在庫を補充しなくてもオンラインで繰り返し販売できるものです。こうした商品は主に、MP3、PDF、ビデオ、プラグイン、テンプレートなどをダウンロードするかストリーミングする形式となっています。
デジタル商品には独自のメリットがあります。
・間接費が安い:在庫を持つ必要がなく、配送料がかかりません。
・利益率が極めて高い:商品原価がかからないため、売り上げの大半が利益となります。
・自動化できる可能性がある:注文はすぐに発送されるため、手間がかかりません。
・フレキシブルな商品:顧客メールリストを作るため、デジタル商品を無料配布することもできますし、または月毎に定期購入料やライセンス料を請求することもできます。デジタル商品をビジネスにするには色んな選択肢があります。
ただし、デジタル商品には気を付けなければならないデメリットもあります。
・無料コンテンツと競合する必要がある:デジタル商品では、無料で似たような商品が見つかる場合があります。ニッチな分野を慎重に検討し、商品に付加価値を与え、競争力をつける必要があります。
・著作権侵害や盗難の危険性:適切なツールを選んでこうしたリスクを回避しましょう。
・販売に関する制限:例えば、Facebookやインスタグラムでは実体のある商品を販売しなければなりません。詳しくはコマースポリシーを参照してください。
ツールをきちんと選んでデジタル商品を開発すれば、こうした問題の大半は解消できます。
デジタル商品販売のためのアプリ5選
もしあなたがデジタル商品の販売方法を探しているなら、あなたのニーズに合ったツールがあります。
1 Digital Downloads: これはShopifyの無料アプリで、簡単にデジタル商品を販売できるようになります。お客様がデジタル商品を購入すると、ファイルを即ダウンロードしたり、メールでリンクを受け取ったりできます。
2 Sendowl: もっと複雑なデジタル商品の場合、Sendowlなら様々な機能や使える自動システムがあります。期間限定リンクや自動発行のライセンスキーで、あなたのデジタル商品販売に一役買ってくれます。
3 Single: ミュージシャンなら、Singleで決まりです。Singleはこれまでの音楽販売とデジタル販売のギャップを埋めてくれるばかりか、商品ページにサンプルとしてクリップを入れることもできます。
4 FetchApp: FetchAppはデジタル商品をダウンロードで配布するアプリで、Sendowlほどの機能はありませんが、5MBまでの無料プランもあり、一つの商品に複数のファイルを添付することができます。
5 Sky Pilot: このアプリは会員制プログラムを作りたい人に最適で、ファイルか限定ビデオをストリーミングで販売できます。お客様は自分のアカウントからファイルにアクセスします。
ここまでは配布の面で優れたアプリですが、他にもShopifyではこんなお役立ちアプリを用意しています。
・Charge Rabbit: このアプリでは定期購読の形でデジタル商品を販売する場合、何度も発生する請求処理を行ってくれます。Sky Pilotと合わせると、会員限定デジタルストリームやダウンロードが可能になります。
・Photolock: 例えばストックフォトのようなビジュアル商品を保護したい場合は、このアプリが便利です。ウォーターマークからソースコードの保護まで必要なセキュリティを備えています。
・Disable Right-Click: コンテンツが商品の場合、このアプリが盗難から守ってくれます。画像やテキストをロックしてくれるので、許可なく保存したり、コピーすることが出来ません。
ニーズに合ったアプリを組み合わせることで、デジタル商品をShopifyストアで商品化したり、次のようなアイデアを実行することができます。
注意:Shopifyでデジタル商品を販売する場合、「これは実体のある商品です」のチェックを外すようにしてください。
オンラインで販売できるデジタル商品
1.ebookやコースなどの教育商材
How to Cake Itでは、通常の料理本に代わりebookを販売しています。
もしあなたがある分野の専門家なら、デジタル商品は専門情報を取りまとめ、学習したい人たちに販売する方法として最適です。
もし既にブログやYouTubeといった無料コンテンツが存在するなら、ただの教育コンテンツではなく、「見た人を転身させるコンテンツ」として競合しましょう。言い換えると、商品そのものを売るのではなく、成長の可能性を売るのです。
これまでの専門家としての経歴を武器にして、商品に注目してもらうことも可能です。もしイチから始めるなら、無料コンテンツを配布してまず興味を持ってもらい、その上で有料につなげていくこともできます。
2.デジタル資産のライセンス
EditStockでは、学生たちにデモでストックフッテージを使用できるライセンスを販売しています。
ストックフォト、映像素材、音響効果など、世界中のクリエーターからクリエーターへと取引されるデジタル商品はライセンス化できます。
個人や企業へのライセンスなど、ストックフォトサイトを使って写真、動画、音楽、ソフトウェアなどの使用を有料にすることができます。ただし販売ごとに最大50%の手数料を課すサイトもあるので、自分だけでデジタル資産を販売したい場合は、Sendowlの自動ライセンスキー発行機能を使いましょう。
アイデアを思い付いたら、オーディエンスのニーズから遡って考えてみると良いでしょう。どんなデジタル商品が喜ばれるか考えると、需要の多い(そして売れる)商品を作ることができます。
また、デジタル商品、特に写真の場合はウォーターマークなどの保護をするようにしましょう。
3.限定デジタル商品へアクセスできる会員権
Snowboard Addictionでは、スノーボーダー向けにプレミアム教育コンテンツの購読権を販売しています。
一つ一つデジタル商品を販売するのではなく、パッケージにして有料定期購入者に限定販売することで、収益を上げる方法もあります。
この方法は、プレミアムコンテンツを増やしたい人、意欲的なメンバーによるコミュニティを育てたい人には最適です。また、有料定期購入が既存のコンテンツの販売につながることもあります。
こうしたコンテンツは有料読者だけが自分たちの顧客アカウントからアクセスできるよう制限されており、ダウンロードではなく、ストリーミングによって配布されます。
ChargeRabbitを使って繰り返し発生する請求を処理し、SkyPilotを使って配布することでこうしたビジネスが可能になります。
4.デジタルテンプレートとツール
Retro Supply Co.ではデザイナー向けのデジタルツールやデジタル資産を販売しています。
デジタル商品には自分の専門外のスキルが必要だったり、膨大な時間がかかるタスクを遂行してくれる無形のツールもあります。また、よくある困りごとや人々のニーズに応えるデジタル商品を販売することもできます。
以下はその一例です。
・起業家のための商品試作ファイル
・求職者のための履歴書テンプレート
・ビジネスのためのソフトウェア
・動画編集者向けAdobeの After Effectsのプラグイン
・ウェブデザイナー向けのアイコン・フォント・UXキットなど
もしあなたがフリーランスで働いているとしたら、自分のスキルやサービスからデジタル商品を作って、積極的に収入を得ることも考えてみては?
5.音楽とアート
Materia Collectiveでは、ゲーム用のデジタル音楽を販売しています。
ミュージシャンやアーティストなら、才能を生かし、これまで作り上げてきたオーディエンスから収益を得られるチャンスがあります。Tシャツやプリントも良いですが、他にもダウンロードできるデジタル商材はどうでしょう?
ミュージシャンならばベストソングを呼出音として販売できますし、漫画家ならば絵を携帯電話の壁紙として販売できます。在庫を持つ必要がないので、リスクもありません。何がオーディエンスの気に入るか色んなフォーマットで試してみることができます。
6.デジタル商品を通じたサービス
Street Parkingでは、毎月の定期購入としてパーソナルトレーニングを販売しています。
サービスはデジタル商品と全く正反対の性質を持っており、デジタル商品とセットにされることがよくあります。サービスでは、「在庫=あなたの提供できる労働時間」だからです。
また、お客様は購入したサービスの一部としてデジタル商品を受け取ることもあります。例えばデザイナーはロゴを作り、パーソナルトレーナーは練習プランを提供します。このことから、サービスとは、デジタル商品を含んだパッケージと言えます。
他にも、個別レポート付きの有料コンサルティングして、それから違うサービスや商品を売ることもできます。または最近のオンラインビジネスが取り入れている方法なのですが、無料でダウンロードできる商品を提供し、顧客メールリストを充実させることもできます。
もしあなたにとっては簡単でも他の人には価値のあるサービスがあれば、商品化してみましょう。時間や労力を使わずに収益につなげることができます。
クリエイティブになって自分だけのデジタル商品を作ろう
在庫や販売にかかる間接費が不要なので、デジタル商品ビジネスはわずかなリスクで始めたり、テストすることができます。
自分のデジタル商品を作り、ビジネス化する方法は無限にあります。最初にちょっとした工夫と時間を投資できれば、その後もずっと利益をもたらしてくれる魅力的な価値を生み出せるのです。
この記事は、Shopify公式サイトブログの記事を翻訳しております。